ニッコリ笑いながらそう言う枚田君。 「そ、そうなの……」 なんで今、それを言うんだろう? だけどそう言われて見れば、確かに使わ れてなさそうな、古い教室があちこちに あった。 「うん、だからさ」 ──グイッ! 「きゃっ!?」 と、突然枚田君に強く腕を引っ張られて 、すぐ横にあった教室に連れ込まれた。 どうやらそこも空き教室だったらしく、 中は埃っぽかった。 「こうやって女の子連れ込むのには、も ってこいなんだよな」 ドアを背にして立ちながら、口元に笑み を浮かべる枚田君。