溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2






「俺は」



雅の低く、落ち着いた声が落とされた瞬
間、シン、と辺りが静寂に包まれる。少
しの、ピリリとした、肌が痺れそうな緊
張を、残して。



雅の黒い瞳が、悠と類を捕らえる。



そして、艶やかに、不敵に、笑った。



「麗を誰にも、渡さない」



思わず、当たり前の事なのに、ホッとし
た。



これで雅が、悠と類が麗を狙っているの
を黙認なんてしたら、俺はどうすればい
いのかわからなくなるから。



きっと、箍(たが)が外れてしまうから
。──なんの箍かなんて、知りたくもな
いけど。



「……声で威嚇するのやめてよ雅」



少し青ざめながら笑う類。



目線を向けられていない俺でさえ、ひし
ひしと感じられた威圧感だ。それを一身
に受けた二人は、俺の比じゃないだろう




そして、どことなく居心地の悪い空気が
流れた時──。