なのに気付けなかったのは、仲間だから
こそ故の盲点だった。
どこかで、"まさか総長の姫に特別な感
情をコイツらが抱くはずない"っていう
固定観念が出来上がってた。
それが当たり前だと思っていたのに。
「俺、本気で麗ちゃんが好きだよ」
──こいつ、正気か?
類はそんなタイプじゃなかっただろ。
恋とか愛とか、毛嫌いしてるような奴だ
ったじゃんよ。
いつの間に、そんな事になってたんだ?
「冗談……には見えないんだけど?」
「冗談なんかじゃないよ。何でそんなに
驚くの?そんなに不思議?」
クスッと笑ってみせる類。
「だって姫は、雅の……」
「雅の恋人だから?そんなの関係ないよ
。好きになったら、そんな抑制、無駄な
んだよ」
類の言いたいことはわかる。


