溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2







……トイレに行きたいのかしら。


流石にそれは安直な考え方か、と思って
いると、佐藤さんが意を決したように顔
を上げた。



「あの……っ、う、麗ちゃんって呼んで
もいいかな……っ?」

「え?」

「その、ずっと仲良くなりたいと思って
て───」



──『私達、ずっと麗ちゃんと友達にな
りたいなあ、って思ってたんだ~』

──『麗ちゃん、可愛いし美人だし!』



途端、佐藤さんの言葉を引き金に溢れ出
した、忌々しい思い出を、全て再生され
てしまう前に、心の奥に押し込んだ。



そして、出来る限りの冷めた目で、佐藤
さんに告げる。



「そういう馴れ合い、嫌いなの」



そう告げたときの、佐藤さんの傷ついた
表情が忘れられない。



そんな顔、しないでよ。



本当に私と友達になりたいって思ってる
のかもしれないと、錯覚するから。