「明日くらいから、練習を始めようと思
うんだ。丁度、王子役の男の子も決まっ
たし!」
「……決まって無かったの?」
「あー……うん、あの、眠り姫が美作さ
んだと皆、遠慮しちゃって……」
遠慮? そんなに私の相手するのが嫌な
のかしら。
「いつの間にそんなに嫌われて……」
や、別にいいけど。むしろそっちの方が
、好都合だけども。
なんて思っていると、わたわたと佐藤さ
んが慌て出した。
「あ、なんか勘違いしてる!?違うよ!
皆、本当は美作さんとやりたいんだよ!
」
「……そんなフォローしなくても平気よ
」
ちょっとフォローに無理がある。
私とやりたいのに遠慮するとか意味不明
でしょ。
「あのね、そうじゃなくて!お姫様と王
子様には、キスシーンがあるから!美作
さん、獅童先輩の恋人さんだし……」


