そして、俺に見せつけるように目を細めて微笑した。
「という事だから、俺にその脅しは効かないよ」
まあ悠が俺に脅しなんて、100年早いけどね、と鼻で笑う類を睨む。
ムッカつく……!
「……類、もう良いでしょう」
麗はため息を付きながらそう言うと、類の胸板を少し押して、二人が離れた。
「俺はあのままくっついてても良かったのに」
「馬鹿、何言ってるの」
変な事ばっかり言わないで、と麗が眉を下げ、それから俺の方に向き直った。
「悠。類が送ってくれるらしいから、類と帰るわね。引き止めてごめんなさい」
「いや……」
俺はむしろ、引き止めてもらえて嬉しかったんだ。
なのに、それを素直に言うことはできなくて。
「……別に、気にしてねえよ」


