「ハッ、なんだよ類。そんなに麗と帰りてえの?」


類が麗のことを好きだなんて知らないであろう麗に、それを仄めかすような事を言ってやれば少しは慌てんだろ、と思ったのに。


類は、真っ直ぐに俺に向き直ると、不敵に笑った。


「そうだよ?」

「……は?」


あまりに予想と違う答えが返ってきて、思わず間抜けな声が出た。


そんな俺に追い討ちをかけるように、類は言葉を重ねる。


「好きな子と帰りたいって思うのは、普通でしょ?」


類がそう言った瞬間、ピクっと小さく麗の肩が跳ねて。


は?なに、まさか、類。


「俺、麗ちゃんに告白したんだ」


まるで俺の考えなんかお見通しだというように、そう言った。


「え、は、いつ?」

「ほんの三日前くらいだよ。知らなかったのは悠だけじゃない?」


クスッと笑った類は、麗の肩を抱き寄せる。