「頑張れよ、麗」
雅もどうやら、私が眠り姫をやることに
特に異議は無いらしく、滅多に見せない
微笑みで、そう応援してきた。
貴方の微笑みは、ここで使うものじゃな
いわよ……。
いつの間にか、もう何も反論出来ない空
気が作り上がっていて、春希が安心した
ようにニコニコしてる。
私はそんな皆をぐるっと見回してから、
小さくため息をついたのだった。
翌日。
「美作さんっ!」
朝学校に行くと、タタタッと佐藤さんが
小走りで駆け寄ってきた。
「おはよう美作さん!」
「……おはよう」
私の返した挨拶に、佐藤さんは嬉しそう
に笑うと、「劇の事なんだけどね」と、
話始めた。


