実際問題、姫って立場はそれなりに狙われやすいし、危ないし。
まあ麗ちゃんに手出しなんかしたら、本当に危ないのは、手出しした奴らだろうけど。
だって、麗ちゃんに手を出すなんて、そんなの俺達が許すわけが無いからね。
それに──。
「皆、麗ちゃんが大事なんだよ」
それは深い意味でも。
好きな女の子は自分で守りたいって思うの、仕方ないでしょ?
「……もう、そういえば許されると思ってるでしょう」
「だって許してくれるでしょ?」
そう首をかしげると、馬鹿、と麗ちゃんが呆れたように笑った。
「それで、どこ行くのよ」
「そうだね。じゃあ俺のお気に入りのカフェがあるから、そこにしようか」
そう言って麗ちゃんの手を握る。
小さくて柔らかいそれに、思わず指まで絡めたくなったけど、そこはどうにか堪えた。
「なに?この手」
「嫌?」


