溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2





麗ちゃんは男を虜にする甘くて危険な毒。


その気にさせるくせして、本人はまったくそんなつもりは無いんだから。


その鈍感さが、無邪気さが、どれだけ罪で、残酷なのかを分かっていない。


そして俺達は、それが罠だと知りながら、毒だと知りながら捕まってしまうんだろう。


「こんな早く迎に来てくれるとは思ってなかったわ」

「早く麗ちゃんに会いたかったからね」


待っててね。すぐ鞄持ってくるから、と踵を返そうとした麗ちゃんにそう言うと、麗ちゃんは少し頬を染めて、口をへの字に歪めた。


……何その顔。


「……何?その微妙な顔は」

「……だって。類ってたまに、歯の浮くような事言うわよね」


ああ、今の言葉を、お世辞だと思われたのか。


心外だな、本心なのに。


「本当の気持ちだけど」

「はいはい、わかったわかった」