溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2






ほんとに、雅はわからないなあ……。


嫉妬なんか見せないくせに、麗ちゃんを見つめる瞳はいつも優しくて甘くて。


それに気付かない麗ちゃんもかなり鈍感だけど、自分がそんな柔らかい表情をしてるってこと、雅も気付いていないんだろう。


──雅は一体、いつ麗ちゃんと出会ったんだろう。


多分、高校に入ってからじゃないんだと思う。でも、麗ちゃんは雅のことを覚えてないみたいだし……。


「あ、類」


そんなことを考えながら歩いていると、麗ちゃんの教室に着いていたみたいで、前から麗ちゃんが歩いてくる。


長い黒髪を翻して歩いてくる麗ちゃんに、廊下にいた誰もが振り返った。


そして、その美しさに皆囚われる。虜になる。


──もちろん、俺も。