溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2





でも、譲りたくない。


俺が初めて好きになった、女の子だから。簡単にこの気持ちを捨てたりしたくない。


「雅も結構スケベなとこあるよね」

「スケ……っ!?」


びっくりしたように目を真ん丸くした麗ちゃんは、「スケベって!」と笑った。


そんな麗ちゃんにつられるように、俺も笑う。


好きな人が笑ってて、その隣で自分も笑ってる。──些細なことなのに、とても幸福で。


多分今、世界中で自分が一番幸せ者かもしれない、と。


柄にもなく、そんなことを考えた。






「あれ、もう帰んの?」


放課後、チャイムが鳴ったと同時に資料室を出ようとした俺に、仁斗がそう訊いてきた。