「まだ、秘密」


二人きりだからもう良いじゃない、と少しむくれる麗ちゃんに笑う。


こんなムードもなにも無いところじゃ言えないよ。


俺は今日、麗ちゃんに告白するんだから。


「……そういえば」


学校まであと五分くらいとなった頃、ふと思い出して俺は麗ちゃんに話しかける。


「昨日雅と帰り、何話したの?」

「えっ……」


雅からあんな頑として誘うなんて珍しいな、と思ったから。


ただ純粋に、どっかに出かけたのかな、とか、どちらかといえば口下手な雅が二人きりの時は何話すんだろう、って気になっただけだったんだけど。


俺がそう尋ねた瞬間、麗ちゃんは分かり易いくらい動揺して、真っ赤になったから。


どくん、と胸騒ぎがした。