ガシャンっ、とそのままフェンスに押し付けられた。
「え、ちょ、雅……!?」
いきなり何、と逃げようとしても、圧倒的力の差を前にしては動くこともできなくて。
こんなに乱暴な雅は、初めて見た。
いつも冷静で、こんな突然、感情的な行動を取るような人じゃないのに。
「雅、どうしたの……」
「わからないか?」
「え?」
ぐ、と雅の顔が近づいて来て、ふわりと雅の前髪が私の額を掠めた。
「俺が、不機嫌な理由……本当にわからないのか」
やっぱり、不機嫌だったんだ。
でも、不機嫌なのはわかってもその理由まで推し量る事なんて出来ない。
それがわかる程、私は雅の事を知らない。
たたでさえ感情を表に出さないっていうのに、わかるわけが無い。
「回りくどい言い方しないで。私が理由なの?」
私に非があるなら、謝るから──。


