関東最強の男だ。
向けられる視線の中には勿論僅かな怯えはあれど、でも憧れの視線の方が圧倒的に濃い。
「ごめん、もう少しで用意終わるから」
そう言うと、わかった、と頷いた雅。
するとまた、教室が再びどよめいて、しかも好奇の視線は雅から私へと移り変わった。
な、なんで私が注目されてるの……!?
「ゆ、夢乃」
「なっ、何!?麗ちゃん!」
思わず近くにいた夢乃に話しかけると、ビクッと肩を跳ねさせる夢乃。
──文化祭の一件があってから、休み時間や移動教室は夢乃や蕾とするようになった。
……って、それよりも。
「なんで夢乃がびっくりしてるのよ」
そんなあからさまに驚かれると、少し傷付くじゃない。
そんな私に、夢乃は、ちがうの!と慌てたように頭を振った。
「し、獅童さんが来てるから、緊張しちゃって」


