「普通もっと赤くなるとか恥ずかしくなるとかさ……あるんじゃないの〜?どんだけ意識されてないんだよ俺……」
「そんな、ファーストキスでもないのに……」
一々ウブな反応してられないわよ、と笑えば、ピシッと室内の空気が固まった。
類や悠、春希までもが、目を見開いて私を見つめた。
え、な、なにその反応。
雅に至っては、なんか不機嫌そうになってるし。
「え、初めてじゃなかったの?姫」
「私がいつそんなこと言ったのよ」
「だって人嫌いじゃん……」
「何も生まれた時から嫌いだったわけじゃないわよ」
それに今だってもう、嫌いじゃないし。
すると、類が無言で私に近付いたかと思うと、胡散臭いほどキラキラした笑顔になって私の両肩をがしっと掴んだ。……かと思うと、そのまま揺さぶり出して。
「ちょ、類……!?」
「ねえ麗ちゃん、悪い事は言わないから素直にその相手の名前と学校名教えてよ。もしかして社会人だったりする?それなら会社名も忘れずにね。もう生きていけないくらい木っ端微塵にしてあげるから」
「いやいやいや!お、落ち着いて落ち着いて!」


