春希のせいで、こっちはいい迷惑をして
るっていうのに、ここまで来て、責任逃
れだなんて許さないんだから。
ジロリ、と春希を見下ろす。
「そ、そんなに怒らなくても……」
「別に、怒ってないけど。」
「絶対嘘だー!」
うわあん!と仁斗の腕に伏せて、泣き真
似をする春希。
そんなことしたって、許さないんだから
。
「麗ちゃんどうしたの?なんか怖いよ。
春希もすっごく怯えてるし」
宥めるようにそう言って間に入ってきた
のは類。
とりあえず座りなよ、というから、私は
空いていた雅の隣に座った。
「どうしたんだ、麗」
雅の隣に座ると、雅が少し首を傾げなが
ら、私を覗きこんでくる。
……いけない。心配させちゃったかしら
。そんなつもりじゃ、無かったんだけど
。


