溺愛プリンセス~最強Boysに愛されて~2






そして俺の願いも虚しく──先生は死んだ。


先生の葬式に一生徒として参加した俺は、周りが啜り泣く中で、一粒の涙さえ流さなかった。


ただ自分だけ、どこか現実にいないような。──そんな浮遊感を味わっていた。


多分あの時はまだ、先生が死んだ事実を実感していなくて。


先生のお墓の前に立った時、先生が死んだ事実を漸く実感して、俺はその場に泣き崩れた。


「先生……っ」


行くなよ。

俺一人置いて、行くなよ馬鹿。


お願いだから帰ってきて。そして俺も一緒に連れてけよ。


何度も何度も願って、声が枯れるまで泣いて。


後にも先にも、あそこまで泣いたのはこれが最初で最後だと思う。


それから俺は、高校に入学して、適当に女の子と遊んで。──でも本命の子なんて作らなくて。できるハズもなくて。


だけどある日。


「──姫が、現れちゃったんだよねえ」