「俺、先生以外に好きな子なんて見つけるつもりない。先生が、先生が居なくなったって……」
俺は先生の事、ずっと好きだ。
「嬉しいけど……ダメ。仁斗の幸せのために、私より大切な子を見つけてね?」
「俺の幸せって……」
じゃあ、俺が先生を思い続けるのは不幸な事なのかよ?
そんなのおかしいだろ……。
「……そしたら、そのピアスを、捨てて」
「……は?」
「そのピアスがあったら、いつまでも私のこと忘れられないでしょ?」
「そんなの──」
忘れるつもりなんて、ねえよ。
なのに。
「それに、前カノがくれたプレゼントがあるなんて、嫌だと思うわよ」
先生は笑って、残酷な事を言う。
「わかった」
「仁斗──」
「けどそれは、もしも俺が他に好きな奴を見つけた場合だから」
そんな日はこないけどな、と言う意味も含めて先生を睨めば、先生は困ったように笑った。


