身長ばっかでかくなって、内面は変わってない。
先生が居なくなるのが、怖くて、怖くて。
「もう、高校生だもんね……。仁斗の高校生姿、見たかった、な……」
ゆるゆると腕を持ち上げて、俺の頭を撫でながら、泣いてるような笑ってるような、曖昧な笑みを浮かべる先生。
「見たかったなって何だよ……見ろよ……俺、制服着て一番に先生に会いに来るから、だから……っ、」
わかってた。
先生も、俺も、もうわかってた。
先生がきっと、もう一月も持たないこと。
「ね、仁斗……」
「ん?何、先生……」
「仁斗は、根は真面目だし、気も利くし……」
「何いきなり。どうしたんだよ」
照れるだろ、と小さく笑う。
だけど。
「……きっと女の子も、放っておかない。仁斗なら、自分に相応しい女の子を見つけ──」
「やめろよ!」
怒鳴って、その先を言わせなかった。
聞きたくない。聞きたくない。
未来の話なんて。
先生の居ない、未来の話なんて──。


