「先生、ピアスかして」
「もう付けるの?」
「待ってらんないし」
俺と先生の耳につけられたピアスは、誓いの証。
一生先生だけを愛し抜くって決めた俺の、呪縛。
それは確かに呪いとも言えた。
それ程俺は盲目的に、狂信的に先生を愛してた。
やがて先生は、みるみる衰弱していき。三月頃になるともう、ベッドから起き上がるのも一苦労な様子だった。
調子の悪い時は呼吸器までつけていて、先生の白く細い腕から伸びたいくつかのチューブが痛々しくて。
目を逸らしたかったけど、だけど。
先生はいつも真っ直ぐに俺を見てくれていたから、俺も先生を真っ直ぐに受け止めた。
「……仁斗、大きくなったね」
「そんなことねえよ……」


