他の皆は、そんな私達二人を不思議そう
に見ている。
「や、やっほー麗ちゃん」
ぎこちない笑みを浮かべて、ヒラヒラと
手を振る春希を、私は冷たい目線で見下
ろした。
そんな私の視線に、春希がビクっと震え
る。
そして、泣きそうになりながら、隣に居
た仁斗にしがみついた。
「う、麗ちゃんが睨んでくるよ~っ!」
ぎゅう、と仁斗の腕にしがみつく春希。
仁斗は、呆れたように春希を見てた。
「おいおい、春希ってば姫になにしたん
だよ~」
「べ、別に何も……」
「──何もしてない、だなんて言わない
でしょうね?」
そう言うと、う、と言葉を詰まらせる春
希。


