おどけたように言う先生に、ふざけるなと喉元まででかかった怒声を飲み込んだ。
なんだよそれ、なんなんだよ。
最後とか、長くないとか、意味わかんねえ。
「……病気、いつわかったんだよ」
「……五月の終わりくらい、かなあ」
五月の終わり?
俺達が別れるちょっと前?
まさか、まさかと最悪の考えが逡巡する。
「まさか別れるなんて言ったの、そのせいだとか言わねえよな……?」
いっそのこと、違うよ、って。そんなわけ無いよって全否定でもしてくれればよかったのに。
先生は柔らかく微笑むだけで。
「……俺の為だなんて言うつもりかよ……」
馬鹿だ。
そんなの俺の為になんかなる訳ないのに、ほんと馬鹿だ。
──いや、馬鹿なのはどっちだ。


