──嘘だろ? きっとこれは何かの間違いだ。同姓同名の別人だってことも有り得るだろうし。 それに、ここまで来たけど、この先どうするつもりだよ。 もしこれが、本当に先生本人だとして、今更のこのこ、何を話せばいいっていうんだよ。 でも、だけど。 ドアノブに辛うじて引っ掛けていた指に力を入れ、そのまま横に引く。 きっとここで逃げたら、後悔するから。 「仁斗……?」 無機質な白いドアの向こうには同じ白い部屋。 白い世界に閉じ込められていたのは、──先生本人だった。