──やっぱり俺は、どこまでも子供で。自己中心的で、自分が傷ついてたら周りのことも考えられなくなるような馬鹿で。
だからあの時、先生の様子が可笑しいことも、先生がいつも嘘をつくときにしている癖にも、気付かなくて。
それに気づいた時にはもう、とっくのとうに手遅れだった。
先生と別れてから季節は巡り、吐息が真っ白に染まる十一月。
先生と別れてから荒れていた俺は夏頃から、雅や類と出会って喧嘩ばかりしていた。
喧嘩してる間は、なにもかも忘れる事ができたから。
「なあ、仁科」
そんなある日、ふとクラスの奴から話しかけられた。
「何だよ?」


