そう言うと、佐藤さんの顔が、分かりや
すくパアッと輝いた。
キラキラと、仔犬のような眼差しを向け
てくる。
「大丈夫大丈夫っ!そんなにセリフもな
いし!……や、やってくれる、かな?」
期待八割、不安二割。というような表情
で首を傾げてくる佐藤さん。
そんな佐藤さんに、私は……。
「……本当に、期待しないでね」
結局、引き受けてしまったのだった。
「春希。」
その日の昼休み、春希を問いただそうと
、資料室に入るなりそう名前を呼ぶと、
春希がビクっと肩を震わせた。
どうやら、余計なことをしたっていう自
覚はあるらしい。


