「もう近づくなって言ったよね」 冷たく言われても、わたしはめげない。 「話をつけてきたから! もう絶対に大丈夫だから!」 言いながら彼の腕をぎゅっと掴む。 「ちょっ……」 「勝負して、勝ったの。デッサンで。わたしが勝ったから、うじ君には近づくなって、言ったから、もう平気だから」 我ながら支離滅裂だ。 おまけに涙まで出てきそうだった。