本来なら、わざわざ教室に探しに来なくても、 放課後になればあの屋上に行くことはわかっているのだから、そっちで待ち伏せすればいい。 けれど、なんとなくあの場所に行くのは躊躇われた。 なぜなら、あそこはうじ君の神聖な場所のような気がしたから。 わたしにとってはテレビの中の世界。 覗くことは許されても、足を踏み入れることは許されないような気がしたから。