「だいたいこの胴体部分の丸2つはなに?」 顔の下、胴体部分に一際大きく描き出されているのは横並びの円ふたつ。 「乳です」 「勝者、志摩!」 わたしの手を取って「WINNER!」と声高に叫ぶアキちゃんに、信号機が食いつく。 「なんだよそれ! アキの胸はそんな――もごっ」 「わたしはありのままを描きました」 信号機の口にニョッキリの箱を押し込み、わたしはアキちゃんに力強く頷いてみせる。 「ゆるぎないわっ」 歓喜に涙ぐむアキちゃんと握手を交わし、信号機を振り返った。