振り返って指を差すと、対象物がくるくるのスパイラルヘアをふぁっさと揺らした。 「はあああ? あたし?」 黒板前でイーゼルと向き合っていたアキちゃんが目を見開く。 「そう。勝敗はアキちゃん自身に下してもらおう」 いきなりモデル兼判定員となってしまったアキちゃんが肩を竦めた。 「もう、めんどうねえ」 そう言ったわりには唇が弧を描いている。 かくして、わたしと信号機によるデッサン勝負が行われることとなった。