突然のことに呆気にとられているわたしへと向き直り、彼はその表情を歪ませる。 「もう、俺に近づかないでくれよ!」 どんな拒絶の言葉でも、いつもならどことなく柔らかさを含んでいるのに、 その声は一切の温かさを失ったみたいに冷たく、尖っていた。 強く跳ねつけられて、その場に静止してしまう。 薄い眉を苦しそうに眉間に寄せてわたしを見下ろし、 うじ君はふいっと身体を反転させてしまった。 「うじ君……?」 いつも見送ってばかりの背中が、今日はいつにもまして遠く感じられた。