「うじ君!」 わたしの呼びかけに、彼は大きく身体を震わせた。 常にリアクションのいい彼だけど、その震え方はいつも以上だった。 そして振り返ったその顔を見て、わたしは言葉を失ってしまった。 「ど……どうしたの?」 そう言ったわたしを静かに見下ろし、うじ君はふいと視線を逸らした。 その瞼は腫れあがって右目を潰し、紅系のアイシャドウを塗ったみたいに赤く染まっている。 口端に張られた絆創膏がとても痛々しい。