「ありがとう」 お礼を言って、わたしはすぐさま駆け出す。 傷だらけ? 顔中ボッコボコ? 足を踏み出すたびに不安が膨らんでいく。 そんなに怪我をしてるの? いったいどうして――? 言われたとおり廊下を走っていくと、 人通りの少ない渡り廊下をふらふらと歩いていく細長い背中が見えた。