「うじ君!」

「うわっ」
 


目撃情報のもと現場に駆けつけたわたしに、うじ君は背骨が折れるんじゃないかと思うほど仰け反る。

ひどく驚いたらしく、胸に手を当てておどおどしながらわたしを見下ろした。



「ト……トイレの前で待ち伏せするのやめてくれない」
 


呟くと、そのままくるりと背を向けてしまう。

廊下を歩く生徒たちがチラチラとこちらを見ている中、わたしは前を行く背中を追った。



「ま、待ってよ」

「モデルはしないって言ったろ」