こんなに喋るなんて珍しいな、 と思いながら、わたしは少し間を空けて彼の隣に腰を下ろした。 「モデルをお願いしたいからだよ」 何度も頼んでいるけれど、結城君は一向に返事をくれない。 「岩本さんなら、他にやってくれる人はいっぱいいるんじゃないの」 そう言った彼の言葉の中に自分の名前があって、少しだけ心臓が脈打った。