「俺、これしか飲まないって、知ってて買ってきた?」 自動販売機で売っているオレンジソーダはコーラやサイダーに比べるとあまり人気がない。 そんなジュースを、 結城君はいつも好んで飲んでいる。 それは知っていた。 「へへ。うじ君の情報は、自然に入ってくるから」 少し気持ち悪い発言かもなあと自分で思っていると、 彼は一重瞼の目をそろりと地面に落とした。 「どうして、いつも俺に構うの?」