わたしの化石ギャグに憐れみの表情を浮かべるアキちゃんは、

170の長身に浅黒い肌、長い髪の毛にはちりちりのスパイラルパーマをあてていて、

どことなくアフリカ原産な雰囲気を漂わせているけれど、れっきとした大和撫子だ。
 


可愛いものが大好きな彼女は、可愛いことで有名なこの学校のセーラー服をいたく気に入っているけれど、

これがまた異文化交流ですかと思うくらい似合わない。



たとえるなら、フランス人のオタク女子が日本アニメのコスプレをしているような感じだ。



それが逆にクレイジーでわたしは大好きだけれども。



「しっかし、そんなに毎日窓の外見ててよく飽きないわね志摩(しま)。何が見えるっていうの?」

「鳥、かな。今日は」
 


窓枠に両肘をついてレンズを覗きながら答えると、



「トリ? そんなの見てて面白いわけ?」

「面白いよ」
 


窓から注ぐ太陽の光を反射し、金色のオペラグラスはきらりと輝く。