対象物は、うじ君 ――の、右手。 魔法のような世界を描き出すその手を、わたしはモチーフに選んだ。 「線をイメージ通りに引くのが難しい」 悪戦苦闘していると、うじ君がわずかに首をかしげた。 「ちょっと、見せて」