「なぜこの流れで無理などと……?」 普通、涙を浮かべながら頷くところじゃないの。 和解成立じゃないの。 「いや、だって、普通に考えてモデルなんて恥ずかしすぎるでしょ。そんなの自意識過剰な人間にしかできないよ」 ああ、やっぱりヘタレさんだ。 なんて愛しいのだろう。 「じゃあさ」 わたしはめげずに折衷案を申し入れた。 ずっと眺めているだけだった屋上は、 とても暖かくて、 気持ちのいい楽園だった。