ベンチの前に優しげな顔で佇んでいるうじ君。 放課後、一方的に覗いていた世界に、 今、彼と一緒に並んで立ってるんだ。 むらむらと湧き起こる衝動を抑えきれず、わたしは彼のブレザーの裾を掴んだ。 こうなったらもう―― 「うじ君! ぜひともデッサンのモデルに――」 「それは無理」 即座に却下されてわたしの勢いは急速にしぼんだ。