カワピーは好きな物を選んで描けというお題を出した。
 
でもわたしは、つまらないものは描きたくないのだ。


だからこうやっていつも、窓の外を眺めてる。
 


6階にあるアトリエの窓からは向こう側の校舎、

すなわち4階建てのA棟の屋上が見えた。


そこは緑地化計画のためにささやかながら花壇があり、その周りにベンチが設置され、片隅にはインコやらなんやらを飼育している鳥小屋がある。
 

放課後のこの時間、わたしはこうやってその場所を眺める。

少なくともつまらない石膏像や芸のないレプリカを眺めているよりはずっと面白い。


ちなみに今日は鳥だ。
 

窓から差し込む太陽が、きらり、と金ぴかのオペラグラスを輝かせた。