「家では描けないから、代わりに放課後、この場所で描いてるんだ。ここは誰にも邪魔されない、最高の場所だから」 うじ君の、好きなことに没頭できる、 大切な場所、 大切な放課後。 それを、わたしはずっと覗いていたんだ。 「……わたしが見てるって知っていたの?」 恐れ多い気持ちで訊ねると、うじ君は小さく首を振った。