「あ、今度よければ一緒にお昼でも食べませんか。あたしと2人がいやだったら、結城君や志摩さんのお友達も一緒に」
「うん。一緒にカツカレーしよう!」
「はい!!!」
威勢のいい返事を背中で聞いて、わたしは中央階段を駆け上がった。
彼女はうじ君のただのクラスメイトで、
彼を介して、わたしの情報をほしがっていただけなのだという。
そしていつか目撃した屋上の場面は、2人がわたしの話題で盛り上がっているところだったのだ。
「わたしってば、なんて罪な女なんだ」
自分に酔いしれているうちに屋上のドアが見えてきた。
そのまま勢いに任せて扉を開く。


