この人に、うじ君がいる屋上の場所を聞くのはまずいかな? 一瞬そんなことを考えた。 けれど―― 「しししし志摩さん!」 叫びながらいきなり抱きついてきたので、わたしの懸念はどこかに吹き飛んでしまった。 「ななななな」 当惑していると、彼女は我に返ったようにわたしを解放した。 顔を真っ赤に染めて可哀相なくらいうろたえ始める。 「ごごごごめんなさい!」 「いいいいえ」 うろたえぶりに釣られるようにうろたえていると、彼女は勢いよく喋り始めた。