『ずっとこっちを見てたよね』 全身がぴりぴり痺れているみたいだった。 恐いわけでもないのに鳥肌が立つ。 わたしの視線に気付いてたの――? 一方的に眺めているだけだとばかり思っていたのに。 オペラグラスを握る手が汗ばんでくる。 再びスケッチブックが捲られ、新たな文字が姿を現した。 『嘘ついてごめん』 「嘘……?」 一瞬首をひねる。 と、すぐにページが捲られた。