そこには文字が書かれていた。 マジックで太く塗られた黒い文字がレンズ越しに映し出される。 『ひさしぶり』 え……? まるでわたしに語りかけているような言葉だった。 一度オペラグラスを外して見下ろすと、やっぱりうじ君はこちらにスケッチブックを持ち上げて見せている。 もう一度オペラグラスを覗くと、うじ君は再びスケッチブックを捲って見せた。 そこに書かれた文字は――