「……別に、寝ませんよ」 「そうか?」 「……はい。」 恐る恐る顔をあげれば、視線がまたぶつかる。 「がんばれよ、受験生。」 先生は私の頭をぽんぽんっとした。 「がんばります…」 消え入りそうな声で返事をすると、ハハッと先生は明るく笑う。