ぺったんこ ぺったん

ぺったんこ ぺったんこ



「あら、あたしすごくお腹すいていたのよ。」



あたしは

お餅をたくさん食べた。

それがすっごくおいしくて

今まで食べたことないような味だった。

もう夢中になって食べたんだ。



お腹がぱんぱんになるくらい食べて

あたしは満足して

お礼を言った。



「うさぎさん、とてもおいしかったわ!ありがとう。」



でも

うさぎたちはお餅をつき続けている。



あたしの声

聞こえないのかしら?



「うさぎたちは返事をしないよ。」

お月さまが言った。

「あら、なぜ?」

「うさぎたちはお餅をつくことだけが仕事なんだ。

だから、ミキちゃんがおいしいと思おうが

まずいと思おうが関係ない。

とにかく、お餅をつくことだけが仕事なんだよ。

だから、お礼なんて言う必要ない。

言ったってうさぎたちにはどうでもいいことなんだよ。」



あら

それって変じゃない?



「あたしは、お餅がおいしくて

とても嬉しかったからお礼が言いたかったの。

うさぎさんたちが返事をしなくたっていいわ。

おいしかったんだもの。

うさぎさんたち、ありがとう!

さようなら。」



あたしはアンチを探すため

その場を去った。



うさぎたちは相変わらず

あたしの方を見ようともしないで

お月さまの上で

もくもくと

お餅をついていた。



ぺったんこ ぺったんこ

ぺったんこ ぺったんこ