二人で手を繋いでマンションに入る。


社長は事務所で仕事があるらしく、あとから帰るとのこと。


「へへっ……なんか幸せ……。何も面白くないのに笑っちゃう」

「いいじゃん。俺、桜彩の笑顔好きだよ。女の子は笑ってる方がかわいいし」

「その言い方だと、あたしが特別じゃないみたい!」


頬をぷくっと膨らませて先を歩いてしまう。


その後ろ姿でさえもう………すっげーかわいい!


後を追うようにエレベーターに乗れば、ふてくされたまま。


かわいいけど不機嫌のまんまじゃなぁ~。


「桜彩ちゃん。コッチ向いて?」

「ん?………んっ」


ふてくされて尖らせた唇にキス。


そしたら桜彩は恥ずかしそうに下を向く。


「桜彩が特別だよ。じゃないとキスなんてしねぇもん」

「う、嬉しいけど……恥ずかしい!……でも、ありがとう」


ふわっと笑った頬にまたキスをした。


このまま食っちゃいたいんですけど!!