一応、後ろから西浦さんが着いて来てる。
俺がゆっくり表口から出ると、悲鳴とともに集まるファン集団。
「凛くん!ずっとずっと好きでした!ファンなんです!」
「ありがとう!頑張るから、これからもよろしくねー」
「サインもらっていいですか!?」
「あ、どーぞどーぞ……」
中学の時に念のため練習してた自分のサイン。
練習しといてよかった~!
まさか、自分がサイン求められる日が来るなんて思ってなかった。
「……凛、そろそろ……」
「分かりました、西浦さん……。じゃあ、そろそろまたね!みんなありがとうございました♪」
「「キャー!!!」」
悲鳴あげてるってことは、いいのかな?
うん……ファンサービスって思ったよりも体力使う。
理音はファンサービスする方だから、こんなに苦労してたんだな。
「よし、帰るぞ!凛!車乗れ」
「はい!西浦さん。ありがとうございます」
「……お前のことなら社長もとっくに認めてるはずだよ」
え………?
どうゆうこと?
意味ありげな西浦さんの表情に、俺が立ち行っちゃいけないような気がした。

